- FAQチャットボットとは、ナレッジベースから情報を取得し、ユーザーのよくある質問に答えるバーチャルアシスタントです。
- FAQボットには、ルールベース型、柔軟なLLM搭載型、そして高度なAIエージェントの3種類があります。
- FAQチャットボットの利点には、24時間365日の対応、プラットフォーム間での一貫した回答、コスト削減、そして従業員が繰り返しの質問から解放されることが挙げられます。
あなたが質問し、ボットが答える。最もシンプルなAIチャットボット、それがFAQチャットボットです。
今ではFAQチャットボットの導入は簡単です。チャットボットプラットフォームを選び、データベースを接続し、ボットを公開するだけ。多くの場合、無料で始められます。
私たちは過去数年で75万体以上のチャットボットを展開してきました。FAQチャットボットについてはかなり知見があります。
FAQチャットボットを徹底的に知りたいなら、ここが最適です。さっそく作っていきましょう。
FAQチャットボットとは?
FAQチャットボットは、ユーザーからのよくある質問に自動で答えるためのツールです。あらかじめ用意されたナレッジベースを使い、素早く正確な回答を提供します。
AIチャットボットの普及以降、FAQチャットボットも進化しました。従来の静的なルールベース型だけでなく、自然言語処理を活用してユーザーと柔軟に会話できるようになっています。
FAQチャットボットは、ウェブサイトやメッセージングチャネル(WhatsAppチャットボットやFacebook Messengerチャットボットなど)でよく利用されます。より高度なソリューションを選べば、単なる質問回答以上のことも可能です。
FAQチャットボットの3つのタイプとは?

すべてのFAQチャットボットが同じではありません。実際、タイプごとに大きな違いがあります。
ここでは、最も優れたものから順に、FAQチャットボットの3つの主要タイプを紹介します。
(幸いなことに、今では誰もひどいルールベース型チャットボットを選ぶ必要はありません。最近はLLM搭載のチャットボットが無料または非常に安価で利用できます。)
コンテキストAIエージェント
最も高機能なのがAIエージェントです。FAQボットの枠を超え、LLMによって高度なアクションも実行できます。例えば、AIエージェントは次のようなことが可能です:
- (ECチャットボットで)現在の在庫状況を表示
- パーソナライズされた商品を提案する
- ユーザーとの過去の会話を参照する
- パスワードを変更する
- 技術的な問題のトラブルシュート
- (AI活用型営業ファネルの一部として)営業担当とのミーティングを予約
動的LLM型チャットボット
ちょうど良い中間の選択肢がLLMエージェントです。ユーザーのさまざまな質問(スラングや誤字、これまでにない聞き方でも)に柔軟に対応できます。
大規模言語モデルを搭載したAIチャットボットは、ユーザーと複雑な会話ができます。有名な例はChatGPTです。
シンプルなFAQが目的なら、LLMチャットボットが最適です。FAQボットはシンプルなので、自分でカスタムチャットボットを作成するのが一番です。
静的ルールベース型チャットボット
チャットボットでイライラした経験があるなら、それはおそらく静的なルールベース型チャットボットだったでしょう。
このタイプのFAQボットは、AI技術が普及する前から存在していました。質問リストと回答リストを用意し、それをもとに動作します。
昔ながらの方法ですが、今でも使い道があるかもしれません。ただ、今ではAI学習サポートの方が、単なるフラッシュカードより役立つでしょう。
FAQチャットボットのメリットは?

FAQチャットボットを導入すべきか説得するつもりはありません。むしろ、すでに導入しているべきでしょう。
FAQチャットボットの主なメリットをいくつか紹介します:
24時間サポート
待たされるのは誰でも嫌です。FAQチャットボットなら、営業時間外でも即時対応が可能です。24時間サポートは、チャットボット導入を後押しする最大の理由かもしれません。
複数チャネルで拡張可能
ウェブサイト、WhatsApp、Slackなど、ユーザーが好むチャネルでFAQチャットボットは対応できます。
どのチャネルでも一貫した回答を提供できるため、担当者ごとに異なる情報が伝わる心配がありません。
コスト効率が高い
繰り返しの問い合わせ対応のために人員を増やすのはコストがかかります。FAQボットなら、品質を落とさずに大部分を自動化できます。
社員の時間を節約
FAQチャットボットが繰り返しの質問対応を引き受けることで、社員は本来の業務や複雑な課題に集中できます。「返品ポリシーは?」と何度も答える必要がなくなります。
優れたFAQチャットボットの秘密
優れたFAQチャットボットの秘密は意外なものではありません。優れたFAQチャットボットは、自分が何について話しているのかをしっかり理解しているのです。
正確で最新、かつブランドに合った情報を提供できるFAQボットが、シンプルなボットとしては最高です。信頼性が高いほど、ボットの価値も高まります。
ですが、幅広い質問に対応する場合、どうやって高い正確性を保てばよいのでしょうか?
1)RAG
検索拡張生成(RAG)技術を使えば、従来のLLM利用で起こりがちな誤答(ハルシネーション)を抑えられます。
AIにおける検索拡張生成(RAG)は、a)外部情報の検索とb)AIによる回答生成を組み合わせ、正確性と関連性を高める手法です。
大規模言語モデル(LLM)による生成だけに頼らず、RAGモデルはAIエージェント作成者が指定したナレッジベース(企業のウェブページや人事ポリシー文書など)を参照して回答します。
FAQチャットボットを作るなら、ナレッジベースに強いRAG機能を持つプラットフォームを選びましょう。
2)vingt-centの法則
vingt-cent=フランス語で「二千」
vingt-centの法則では、FAQチャットボットのトピック数は20件、FAQ総数は100件までに絞るべきとしています。それ以上の場合は、FAQチャットボットごとに分担できる仕組みを作る必要があります。
このルールは、私たちが数百体の会話型アシスタントを作った経験から生まれました。
コンテンツを管理しやすくし、NLU(自然言語理解)の効率を最大化するための指針です。
FAQチャットボットの主な機能

優れたFAQチャットボットは、単に質問に答えるだけでなく、さまざまな用途で効率的かつ正確に対応できることが重要です。
リアルタイムでの問い合わせ対応から、リッチでインタラクティブな応答まで、統合チャネルやアクセス制御、リアルタイム更新などの機能がボットをより賢く柔軟にします。
1)統合チャネル
FAQチャットボットは、ユーザーがいる場所で対応する必要があります。つまり、ウェブサイト、モバイルアプリ、メッセージングプラットフォーム(例:WhatsApp、Slack)、さらには音声アシスタントなど、複数のチャネルでシームレスに動作することが求められます。これにより、どこでボットとやり取りしても一貫した回答が得られます。
2)LLM搭載ボット
LLMを活用したFAQチャットボットは、従来のルールベース型よりも複雑な質問に対応できます。LLMによって、チャットボットは次のことが可能です:
- さまざまな表現のユーザー質問を理解する
- 自然言語を効果的に処理する
- 入力が不完全またはカジュアルでも、正確で自然な回答を返す
3)RAG
検索拡張生成(RAG)により、複雑なファイルについてもボットが質問に答えられます。たとえば、RAGを使えばFAQチャットボットは:
- 100ページの技術マニュアルから詳細な製品仕様を抽出
- 法的ポリシー文書から適用条件を検索
- 複数シートのExcelファイルから価格帯を取得
- ユーザーマニュアルからトラブルシューティング手順を案内
4)リアルタイム知識更新
リアルタイムで知識を更新できるFAQチャットボットなら、常に最新情報をユーザーに提供できます。
製品カタログやポリシーの変更、価格改定なども、ボットがライブデータソースから自動で取得し、手動更新なしで正確な回答が可能です。
5)リッチメディア応答
現代のFAQチャットボットは、テキストベースの回答だけにとどまりません。画像、動画、ダウンロード可能なファイル、他のコンテンツへのリンクなど、リッチメディアでの応答も提供できる必要があります。
6)アクセス制御
アクセス制御により、FAQチャットボットが公開・非公開のナレッジベースの両方に対応できるようになります。たとえば、従業員向けの社内FAQは機密情報へのアクセスに認証が必要ですが、顧客向けFAQは公開されたままにできます。
FAQチャットボットの20のユースケース
FAQチャットボットは単純なやりとりしかできないように思えるかもしれませんが、カスタムFAQチャットボットは無限の用途に応用できます。
以下は、FAQチャットボットの代表的かつ高いROIを生む活用例です。
カスタマーサポート
- よくある商品やサービスの質問に回答する
- 返品・交換・返金ポリシーを案内する
- トラブルシューティングの手順を案内する
- リアルタイムの配送状況や注文状況を提供する
- 価格、割引、プロモーション情報を共有する
- 予約やアポイントメントに関する問い合わせに対応する
- よくあるセキュリティやプライバシーの懸念に答える
社内ナレッジ管理
- 従業員が人事ポリシーや福利厚生情報を探す手助けをする
- よくあるITトラブルの解決手順を案内する
- 新入社員向けのオンボーディングガイドを提供する
- 社内ツールやワークフローに関する質問に答える
- 会社の方針やコンプライアンスガイドラインを共有する
営業・マーケティング
- 製品比較や機能の詳細を案内する
- 料金プランやサブスクリプションの選択肢を案内する
- 営業チーム向けのリード判定FAQを提供する(AIリード獲得の一部)
- トライアル期間やデモに関する質問に答える
一般的なセルフサービス
- イベントやウェビナー参加者向けのFAQを共有する
- ドキュメントやユーザーマニュアルの要約を提供する
- コミュニティやフォーラム参加に関する質問に答える
- セルフサービスの手順をステップごとに案内する
ステップバイステップ:FAQチャットボットを5つの手順で作成する方法

AIが何の略かほとんど知らなくても、カスタムFAQチャットボットは作れます。本当にそれほど簡単です。信頼できるFAQチャットボットを作るための大まかな流れを紹介します。
1)プラットフォームを選ぶ
まず、自分のニーズに合ったチャットボットプラットフォームを選びましょう。動的なナレッジベース、マルチチャネル展開、AIによる応答をサポートしているものを探してください。
チェックしたいポイント:
- チュートリアル:導入サポートがあるか?
- 連携オプション:自社のウェブサイト、CRM、メッセージングアプリと接続できるか?
- カスタマイズ性:ボットのトーン、フォールバック応答、外観を調整できますか?
2)FAQデータをナレッジベースとしてアップロードする
プラットフォームが決まったら、FAQの内容を集めます。これは商品、サービス、価格、ポリシーに関するよくある質問などが含まれます。
このデータをナレッジベースとしてプラットフォームにアップロードし、トピックごとに整理して検索精度を高めましょう。回答は明確で簡潔、最新のものにしてください。ボットの品質は提供する情報の質に左右されます。
3)チャットボットを設定する
FAQデータをアップロードしたら、ボットの挙動をカスタマイズします。例えば:
- ボットが答えられない場合のフォールバック応答の設定
- 正確性を確保するための信頼度しきい値の調整
- ブランドに合わせたボットのトーンの調整
より高度なボットでは、ユーザーが高度なサポートを必要とする際に人間に通知するなどのアクションも有効にできます。
4)各チャネルに展開する
FAQチャットボットは、ユーザーがいる場所で利用できる必要があります。多くのプラットフォームでは、ウェブサイト、WhatsApp、Slack、Notionなどの社内ツールなど、複数のチャネルにボットを展開できます。
5)テストと改善
どんなボットも最初から完璧ではありません。実際の会話をシミュレーションし、分析データを追跡し、ユーザーからのフィードバックを集めてテストしましょう。どの質問にはうまく答え、どこでうまくいっていないかを特定します。
ナレッジベースを定期的に更新して回答の関連性を保ち、必要に応じてフォールバックフローを調整し、信頼度しきい値を見直して正確性を高めましょう。
最良のチャットボットは、継続的に改善されるものです。
明日からFAQチャットボットを導入しよう
シンプルなFAQボットから強力な企業向けAIエージェントまで、柔軟なプラットフォームであらゆるニーズに対応できます。
Botpressは、エンタープライズ向けに構築された無限に拡張可能なボット構築プラットフォームです。このスタックにより、開発者はあらゆる機能を持つチャットボットやAIエージェントを構築できます。
当社の強化されたセキュリティ対策により、顧客データは常に保護され、御社チームが完全に管理できます。
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よくある質問
1. FAQチャットボットは自分でホストするのと、マネージドサービスを使うのとどちらが良いですか?
FAQチャットボットを自分でホストするか、マネージドサービスを利用するかは、リソースや目的によります。自分でホストすれば完全なコントロールやデータ所有権、カスタマイズが可能ですが、保守やスケーリングに開発者の手間がかかります。マネージドサービスは技術的な負担が少なく、自動アップデートやサポートが受けられ、インフラ構築なしですぐに導入したいチームに最適です。
2. FAQチャットボットをAlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントと連携できますか?
はい、FAQチャットボットはAlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントと連携できます。各開発者プラットフォーム(Alexa Skills KitやGoogle Actions SDK)を通じて公開し、音声入力・出力に合わせてインタラクションモデルを調整します。テキストベースのインテントを音声向けのプロンプトや応答に変換する必要があります。
3. FAQチャットボットのパフォーマンス評価で見るべき分析指標は?
FAQチャットボットのパフォーマンスを評価する際は、解決率(ボットが正しく回答できた割合)、フォールバックやエラー率(正しく応答できなかった割合)、ユーザー満足度(アンケートやいいね・バッド評価で収集)、セッションの長さや離脱ポイントなどのエンゲージメント指標が重要です。
4. 私の業界や専門用語に合わせて基盤となるLLMモデルを微調整できますか?
はい、業界特有の例を使ってカスタムモデルをトレーニングしたり、厳選したナレッジベースと組み合わせたRAG(検索拡張生成)を利用することで、基盤となるLLMモデルを微調整できます。これにより、フルモデルを一から再学習しなくても、自社の用語で理解・応答できるようになります。
5. FAQチャットボットから本格的なAIアシスタントやエージェントに移行すべきタイミングは?
ユーザーがパーソナライズされた文脈に応じた回答や、取引処理、バックエンドシステム(予約、アカウント更新、トラブル対応など)との連携を求め始めたら、FAQチャットボットから本格的なAIアシスタントやエージェントへの移行を検討すべきです。その段階では静的な回答だけでは不十分となり、AIアシスタントがワークフローを管理し、ユーザーのニーズに応じて対応できるようになります。
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